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保護者の声

【保護者の声】「特別な年のクリスマス礼拝」

♪むかしユダヤのひとびとはかみさまからのおやくそく♪
いつも通るパーシモンのイチョウが黄金色に輝く11月半ば、帰宅した息子がこの歌を口ずさみ、我が家はいよいよページェントが近づいてきた!と心躍りました。同時に(もうこんな時期がきてしまったのね…)と、一抹の寂しさも。そして時期が時期だけに、心の中では(無事にページェントを迎えられたらいいなぁ)という希望的観測を抱くにとどめていたのも事実です。
ほどなくしてHの日々の報告から「今日はイエスさまのおはなしを聞いたよ」「みんなでイエスさまが生まれたときの劇をやるんだ」「自分のやりたい役を二つ考えるの」など、みどり組でページェントに向けての準備が着々と進んでいることを実感しました。
ぼくはY(兄)がやった兵隊になりたいなぁ、でも羊飼いもいいなぁ、と悩むHを見て、子供たちそれぞれが主イエスキリストの誕生を想像し、どんな役で物語を伝えたいかを考え、役を決めることはページェントを行う上でとても大切なプロセスだと感じました。そして役決めの日、羊飼いの役を与えられたHは「羊飼いは狼を倒す武器と羊を持つんだ!かっこいいよね!」と得意げに教えてくれました。(ん?武器?)羊飼いの杖を武器と呼ぶ息子に戸惑いを覚えつつも、やる気に満ち溢れる姿に頼もしく思いました。

 

余談ですが、ページェント練習真っ只中の11月末、小学校の就学時健診にベテルのお友達と行ってきた時のこと…学校に到着して受付を待つ間にHとお友達は大きな声で♪トントンやどやさん、どうかひとばんとめてください♪ と楽しそうに歌っていました。家や公園、習い事や小学校、どんな場所でも子供たちが自然と口ずさむページェントの歌や讃美歌に、私たち親が癒されたことは言うまでもありません!どうか無事ページェントが行えますように…と祈るような気持ちになっていました。

 

そして迎えたクリスマス礼拝の朝。気持ちよい冬の青空の下、登園の道のりでHは「どうしよう、緊張するなぁ…でもすごく楽しみ」といつになくナーバスでしたが、きっとお友達みんな同じ気持ちだよ、がんばってね、と送り出しました。(本音を言えばお母さんも同じくらいドキドキしているのよ〜)
T先生のお祈りで心を落ち着かせ、K先生が弾くパイプオルガンの美しい音色とともに、みどり組の子供たちが衣装に身を包み堂々と入場する姿はとても誇らしく感動的です。礼拝堂の窓から差し込む柔らかい太陽の光が舞台に立つ子供たちを包み込み、園庭で遊ぶ小さなお友達の明るい声が響く中、「これは2000年前に本当にあったおはなしです」というお星さまのセリフでスーッと新約聖書の世界に引き込まれるような錯覚になりました。子供たちが神様から与えられた役割を一生懸命に伝えるその姿を見て、幼少期から信仰に触れることで育まれる心の豊かさを感じるとともに、一人一人の表情や動き、歌、セリフを聞きながら、あか組からずっと一緒に過ごしてきたお友達や先生方と主イエス生誕の祝福を分かち合う時を持てたこと、そしてみどり組全員が参加できたことを心から嬉しく思いました。

 

未曾有のパンデミックとなった新型コロナウイルスにより、さまざまな園行事や集まりが縮小や中止となりページェントが行えるかどうかも不透明の中、幼稚園では先生方が常に緊張感を持って子供たちの日常を守っていただき、無事にページェントを迎えられたことに深く感謝いたします。今年は感染対策のためみどり組の園児と保護者のみの参加となりましたが、とても温かいベテル幼稚園らしいいつものページェントに変わりはなく、子供たちが伸び伸びと歌い伝えてくれたクリスマスストーリーは最高のプレゼントとなりました。そしてこのページェントの舞台での経験は子供たちにとって大きな自信となったことでしょう。また、当日参加が叶わなかった他クラスの保護者の方々や親族のために、動画配信という特別な配慮をしてくださり、皆様とページェントを共有できたことをとても嬉しく思います。(冬休み中、我が家は何度も動画を観てその都度感動していました!)そして、動画を観てくださった小さなクラスのお母様から「ページェントすごく良かったです」と声をかけて頂いたことも嬉しかったです。

最後になりましたが、これまでの当たり前が当たり前ではなくなってしまった“新しい生活様式”で始まった二学期…マスク着用、手洗いの徹底、ソーシャルディスタンス、お弁当時のアクリル板設置、施設内や遊具類の除菌作業など、子供たちが安心して園生活を送るために尽力してくださる先生方の日々のお働きには本当に頭が下がります。このような情勢下で先が見えない不安の中、みどり組の一日遠足、多摩川台公園での運動会、そしてページェントを無事行っていただき、心から感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

兄弟でお世話になってきたベテル幼稚園での生活もいよいよ終わりが見えてきました。長男があか組のときに生まれたHがあと少しで卒園、4月からは小学生です。大好きなベテル幼稚園とのお別れを思うととても寂しいですが、残り少ない日々を親子で大切に過ごしていきたいと思っています。

2020.12